おそらく知らない人の方が多い資格ですが、今回はこの資格について調べてみました。
土地改良換地士試験について
土地改良換地士は、圃場整備事業等の農業用地の土地改良換地計画時に、関係者に対して公平な立場でアドバイスできる人で、このアドバイスは土地改良換地士でないと出来ない独占業務です。
土地改良換地士試験の管轄は農林水産省なので、土地改良換地士についての詳細は、農林水産省のホームページを参照してください。
この記事では、土地改良換地士「試験」について出来るだけ調べてみます。
過去問分析|合格基準は60%だが…
土地改良換地士試験は、午前の知識試験(択一)と午後の実務試験(記述)で構成されています。
試験時間は午前が2時間30分、午後が3時間と、測量士試験と似たような形式。
※ちなみに実務経験(換地処分に係る業務)を10年以上されてきた方は午後試験が免除。
合格基準は、午前・午後どちらも60%です。
午前:知識試験 多肢選択式:2時間30分
- 農用地の集団化に関する事業に係る知識
- 土地改良法、民法、不動産登記法、土地改良登記令、戸籍法、農地法その他換地の事務処理を行うに必要な関係法令に関するもの
- 測量および土地改良法のうち換地関係規定に関するもの
午後:実務試験 記述式:3時間
- 農用地の集団化に関する事業に係る実務
- 換地計画書の作成に関するもの
- 従前地各筆調書の作成、戸籍簿等調査、代位登記申請書の作成および測量(求積計算)に関するもの
これを見ると試験科目は多いです。
では、令和2年度の土地改良換地士試験の過去問を見てみます。
午前 知識試験(択一)
全50問の四肢択一を2時間30分で解答
- 土地改良法 8問
- 民法 5問(総則1 物権2 債権1 家族法1)
- 不動産登記法 4問(表示登記3 筆界特定1)
- 土地改良登記令 2問
- 戸籍法 1問
- 農地法 3問(農地法と農業関連の問題)
- 道路法、河川法等 2問
- 測量および土地改良法のうち換地関係規定に関するもの 25問(測量法関連3、土地改良法関連22)
午後 実務試験(記述式)
大問6つを3時間で解答
問題用紙を見た感じ、土地家屋調査士の記述式にどことなく似ているイメージ。
試験問題は、問題用紙2枚と6種類の別紙資料が添付
別紙資料の内訳は
- 現形図+従前地の明細、換地図+換地の明細(1枚もの)
- 登記事項証明書(7件分)
- 改製原戸籍謄本(文字は鮮明)、除籍謄本、全部事項証明書
- 相続関係説明図(被相続人3人の家系図的なもの)
- 所有権登記名義関係書類(不在籍証明、戸籍の附票、住民票等)
- 地積測量図(1枚もので、読みやすい図面)
大問6つの内容は
問1.換地計画書の作成に関するもの 1問
問2.従前地各筆調書の作成 1問
問3.戸籍簿等調査 1問
問4.代位登記申請書の作成 1問
問5.測量(求積計算)に関するもの 1問
問6.測量(換地交付率等の算出等による)に関するもの 1問
土地家屋調査士や測量士かつ相続関係にも馴染みのある元銀行員であれば、受験しやすい科目が多いです。
しかし、メイン科目は土地改良法と換地関係で、この科目を攻略しない限り、記述式もある合格点60%は難しそうです。
土地家屋調査士の知識の幅を拡げれるかもしれない。
ただ、受験するとなると対策をどうするべきか…
試験対策|公式テキストなし!情報不足
この試験、マイナーすぎて一般的なテキストや過去問集は発売していません。
過去問は農林水産省のホームページにある過去3年分の問題のみです。
解答解説はなく、記述問題に至っては解答すらありません。
ネット等で探してみると「Q&A 土地改良の理論と登記実務」を参考書として使用している人もいるみたいですが、如何せん情報は少ないです。
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