こんにちは。元銀行員で測量士のジムノです!
今回の記事は
- 難関資格を取得し、独立を考えている社会人
- 資格を取って、転職を計画している社会人
に向けた内容です。
一般的に、難関資格を受験する時
- 会社を辞めて受験に専念する
- 働きながら勉強する
この2つのうち、どちらが将来的に良いかどうか悩まれる人もいると思います。
私は銀行員時代に、合格率10%の土地家屋調査士試験に働きながら一発合格できました。
その反面、その数年前には司法書士を目指すために銀行を辞めようとしたこともありました。
その経験上、
難関資格であっても働きながら勉強した方が良い結果に繋がりました!
なぜ、そう思えるかを私の経験をもとに記事にしましたので、会社を辞めて試験勉強を考えている人は参考にしてください。
資格合格に必要な「3つの維持」
私の土地家屋調査士試験の学習期間は1年2ヵ月でした。
一般的に難関資格と言われる資格の学習期間は10ヵ月~2年程度ではないでしょうか。
難関資格を合格するためには、この長期間の勉強を維持することが最低限必要とされます。
そのために維持する必要があった要素は3つあります。
- モチベーション(やる気)
- メンタル(精神衛生)
- キャッシュ(収入)
難関試験に合格するためには、これら3つを維持しないと、挫折してしまいます。
では、なぜこの3つの維持が大切なのかを、私の経験から説明していきます。
「働きながら勉強」が良かった経験
①「時間がない日」ほど集中して勉強できた

皆さんは、何も予定のない休日どのように過ごしますか?

私は、時間があると「もうちょっとしたら勉強しよう」とよく思います。
心理学の中では、『締め切り効果』というものがあり、人は期限直前になるとパフォーマンスが上がるというものです。
専業受験生は1日の内、全てが勉強時間にすることができる反面、
「いつでも勉強できる」という心理になってしまいます。
実際、平日は仕事と家事が終わった9時~0時で如何に勉強できるかを意識し、時間を大切にしていました。
それに反し休日の過ごし方は
- 睡眠不足を解消しておこう
- 平日勉強しているし息抜きしよう
- 昼から勉強しよう
- 寝不足だから昼寝して晩から勉強しよう
といった感情と戦っていました(笑)
勉強は『量』が大切ですが、やっぱり『質』です!
人間の集中力には個人差はありますが、限界があります。
短時間でも、理解しよう!覚えよう!とする意識が、集中力の向上に繋がったことを実感しました。
②「銀行を辞めたい!」で勉強意欲が高まった

専業受験生になると、仕事のストレスはなくなります。
ただ、仕事のストレスがないと、『これが一生続いたら…』って気持ちが芽生えるかもしれません。

実際、職場で連休があった時、この自堕落な生活が一生続けば…なんて思っていました。
資格を取って、独立・転職を考える人は、少なくとも現状の仕事に満足していません。
『この銀行業務を一生続けるのはダメだ!調査士になって人生を変えたい!』
『早く帰って勉強したい!』
という気持ちを常時、維持できていました。
実際、土日は仕事のストレスから一時的に解放されるため、平日ほどの反骨精神は出ませんでした。
人は現状を変えたい気持ちが必要なんだと実感しました。
③「勉強と距離を置く」ことで気分転換できた

難関資格はゴールが見えない戦いになるので、そればかり考えて一喜一憂しがちです。

うまく結果が出ないと、『自分にはコレにかけるしかない』と思い、自己否定に繋がりかねません。
銀行業務は大変でしたが、少なくとも仕事中は試験勉強という課題からは離れることが出来ます。
働くことは、試験勉強よりも理不尽なことが多いです。
ノルマの進捗状況やお客さんの課題解決を考えていると、相対的に試験勉強における課題が軽くなりました!
資格合格が人生のすべてと思ってしまうと、物事を冷静に考える余裕がなくなっていたかもしれません。
④「不合格のリスク」を軽減できた

専業受験生のメリットとしてたまに挙げられるのが
「背水の陣」で頑張れる!
っというものがありますが、全ての人に当てはまるものではありません。

受験生で不合格を前提に勉強や講座を受講する人はいませんが、難関資格は概ね8割不合格が現実です。
難関資格ほど、本試験時の「調子や体調」で合格が左右される可能性が高いです。
絶対合格する!っという気持ちは必要ですが、不合格だったその後の生活を考えれる余裕は欲しいです。
私は、土地家屋調査士試験の半年前ぐらいにスランプに陥って自信を無くしたことがありました。
ただ、不合格だとしても現状の仕事を続けていれば
- 家族に負担を強いる
- 無職が続く
- もう後戻りできない
といった不安要素がなかったので、スランプは仕方ないと楽観的に割り切ることができました。
経営者として独立・新しい分野へ転職を目指す人であれば、リスクヘッジを意識して行動する必要があるでしょう。
⑤「お金の心配」がなく、選択肢が増えた

収入がないと心身に支障が出ると思います。

生活にも、勉強にも、ある程度お金は必要です。
私は、銀行員としての収入があったから、
- 家族から試験勉強の応援
- 通信講座や答練模試を気にせず受講
といったサポートを受けることができました。
人生お金が全てではありませんが、
受験時に生活に困らない程度の収入は『心のゆとり』と『選択肢の増加』に繋がりました。
⑥「転職活動」に余裕ができた

今の仕事環境から自分を変えたい!っと思って資格合格したとしても
新しい職場が「ブラック企業」「理不尽企業」では意味がありません。
実際、私は土地家屋調査士の合格見込っとなってから土曜日に就活し、
「ここは違うなぁ」と感じたら不採用でもいいと考える余裕がありました。

今の職場は、基本定時で終わり、資格手当等も十分な測量会社です。
正直、試験合格よりも、優良な就職先を見つけて内定をもらう方が不安定要素が多いです。
取得した資格を活かせる会社が見つかるまで不採用でも問題ないと落ち着いた就職活動ができました。
「働きながら勉強」のデメリット
働きながら勉強するのが全て正しいわけではなかったです。
兼業受験生が専業受験生に劣る部分も実感しました。
①「勉強時間」の確保に限界があった

シンプルに勉強時間は負けます!
専業受験生が日中10時間のうち5時間サボったとしても5時間は兼業受験生より勉強できます。
総勉強時間が3,000~5,000時間必要とされる公認会計士や司法書士の場合は、専業が有利な部分が多いかもしれません。
ただ、土地家屋調査士試験レベル(学習時間1,000時間~1,500時間)では、そこまで差は出なかったと言えます。
②「仕事の悩み」が多い時は勉強できなかった

働きながら勉強で一番のネックはこれでした!
土地家屋調査士の勉強当時、新型ウイルスの流行が始まったころでした。
私は貸付係として勤務し、通常では考えられないほどの融資申込や相談が新規・既存問わず発生しました。

仕事が終わらない日に加え、当時の支店長の方針ともそりが合わず、勉強する精神的な余裕がない月が2ヵ月ほど続きました…
この頃は軽いうつ状態になりかけていましたが、1週間会社を休んで家事も勉強も何もせずゆっくり心身を休めることで体調とモチベーションを回復させました。
人は大きな悩みを持つと勉強どころではなくなることを身をもって体感しました。
会社を辞める目的で資格を目指していませんか?
以上が、働きながら勉強した方がメリットとデメリットでした。
結論、働きながら勉強した方が、時間当たりの勉強密度が高くなり、一日の達成感がでることで勉強に余裕が生まれました。
難関資格を目指すうえで気を付けることは
- 会社を辞めることが目的になっていないか
- 勉強することだけが目的になっていないか
私は銀行5年目ぐらいにすごく会社を辞めたくなって司法書士の勉強をしましたが、転勤をきっかけに挫折しました。
転勤して環境が変わったことで、気持ちがリセットされ、辞めたい気持ちが緩和したと同時に、勉強熱が冷めていったのを今でも覚えています。
その時は会社を辞めることが目的だったと実感しました。

資格合格はなりたい自分を目指す「手段」にしかすぎません。
難関資格に合格に必要なことは時間や理由ではなく、しっかりした目標を持って、それを維持し続ける気持ちの余裕だと思います。
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